【事業主側】岡山で会社の労働相談ができる場所と相談できることまとめ
労働時間、賃金、待遇、ハラスメント……。事業主が従業員との間でトラブルを抱えてしまったとき、どこに相談すればよいのでしょうか。
社会保険労務士や弁護士と顧問契約をしていない場合、相談先に困ってしまう担当者や経営者も少なくありません。すでにトラブルに発展してしまっているときは、可能な限り早急に解決に向けて対応することが求められます。
【この記事でわかること】
- 岡山で事業主が無料で労働相談できる公的な窓口
- それぞれの窓口で相談できること、メリット・デメリット
- 社会保険労務士、弁護士への相談について
【無料】岡山で会社の労働相談ができる公的窓口
まずは会社の経営者や担当者が、従業員との労務トラブルや労働問題などを相談できる公的な窓口を紹介します。
※ この記事で紹介するのは「労働相談できる場所」です。
例えば「就業規則の作成のアドバイスが欲しい」「助成金の申請方法を教えて欲しい」といったときは、社会保険労務士や、管轄の窓口にご相談ください。
▼労務に関する主な行政窓口
- 就業規則:労働局・労働基準監督署
- 社会保険・厚生年金:年金事務所
- 雇用保険:公共職業安定所(ハローワーク)
- 労災保険:岡山労働局・労働基準監督署
- 助成金:各運営主体(労働局等)
総合労働相談コーナー(岡山労働局・各労働基準監督署内)
| 相談方法 | 電話、面談 |
|---|---|
| 対応時間 | 9時30分~17時 ※ 土日祝日及び年末年始(12月29日~1月3日)は除く |
| リンク | https://jsite.mhlw.go.jp/ |
総合労働相談コーナーは、岡山労働局や県内各労働基準監督署内に設置されている、厚生労働省管轄の公的な労働相談窓口です。
労働者、事業主、双方からの相談を受けており、労働条件(解雇、賃金、労働時間など)や、ハラスメント、育児・介護休業、労働契約・個別紛争など、幅広い労働問題を相談できます。
ちなみに労働基準監督署の中に設置されていますが、相談員は総合労働相談を担当する職員であり、労働基準監督官ではありません。
【メリット】
- 無料・予約不要で気軽に相談できる
- 相談内容が担当外の場合も、適切な他機関を案内してもらえる
【デメリット/注意点】
- 相談・助言が中心で、個別の損害賠償請求など、民事的な解決までは行わない
- 企業に対して違法性が認められれば、労働基準監督署を通して是正勧告が行われる
【岡山県内の総合労働相談コーナー】
| 名称 | 所在地 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 岡山労働局 総合労働相談コーナー |
岡山市北区下石井一丁目4番1号 岡山第2合同庁舎3階 |
086-225-2017 |
| 岡山総合労働相談コーナー | 岡山市北区大供二丁目11番20号 岡山労働基準監督署内 |
086-283-4540 |
| 倉敷総合労働相談コーナー | 倉敷市大島407-1 倉敷労働基準監督署内 |
086-484-8641 |
| 津山総合労働相談コーナー | 津山市山下9-6 津山労働総合庁舎2階 津山労働基準監督署内 |
0868-22-7157 |
| 笠岡総合労働相談コーナー | 笠岡市笠岡5891 笠岡労働総合庁舎4階 笠岡労働基準監督署内 |
0865-62-4196 |
| 和気総合労働相談コーナー | 和気郡和気町福富313 和気労働基準監督署内 |
0869-93-1358 |
| 新見総合労働相談コーナー | 新見市新見811-1 新見労働基準監督署内 |
0867-72-1136 |
労働基準監督署
| 相談方法 | 電話、面談 |
|---|---|
| 対応時間 | 8時30分~17時15分 ※ 土日祝日及び年末年始は除く |
| リンク | https://jsite.mhlw.go.jp/ |
労働者からの相談や通報を受ける場所というイメージがある労働基準監督署でも、事業主からの相談に対応しています。
主に労働基準法や労働安全衛生法など、労働法に関連するアドバイスや支援を行っています。
【メリット】
- 「労災保険の請求手続きのやり方」「従業員を解雇する方法」など、法令違反にならないためのアドバイス、運用方法を聞ける
- 中小企業向けに「労働時間相談・支援班」などの専門窓口がある
【デメリット/注意点】
- 民事的なトラブルは裁判所の判断になるため、個別の有効性判断は行わない(民事不介入)
- ハラスメントや雇用保険など、他の管轄事案は相談できない
【岡山県内の労働基準監督署】
労働条件相談「ほっとライン」

出典:労働条件相談「ほっとライン」(Working Hotline)|厚生労働省
| 相談方法 | 電話 |
|---|---|
| 対応時間 | ・平日(月~金):17時~22時 ・土日:9時〜21時 ※ 年末年始は除く |
| 電話番号 | フリーダイヤル 0120-811-610(はい! ろうどう) |
| リンク | https://jsite.mhlw.go.jp/ |
厚生労働省が委託して運営している、全国共通の無料電話相談窓口です。
労働時間、賃金、ハラスメントなど、労働基準関係法令に関する幅広い問題を、専門知識を持った相談員がアドバイスします。
【メリット】
- 専門知識を持つ相談員から、法令・裁判例などの説明を受けられる
- 全国一律の水準で相談を受けられる
- 匿名でも相談できる
【デメリット/注意点】
- 平日は夜間しか受け付けていない
岡山県社会保険労務士会

出典:岡山県社会保険労務士会 労働問題や保険・年金などの疑問やご相談に対応いたします。
| 相談方法 | 対面 |
|---|---|
| 対応時間 | 相談会によって異なる(定期開催) |
| 電話番号 | 086-226-0164 (9:00~12:00 / 13:00~16:30) |
| リンク | https://www.okayama-sr.jp/ |
社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険・年金など「人」に関する法律や手続きのプロです。全国の社労士会では、企業が労務管理や労働トラブルで困ったときに、無料で相談できる窓口を設けています。
岡山県社会保険労務士会では「岡山総合労働相談所」「年金相談所」など、複数の無料相談を定期的に開催しています。
| 相談会 | 場所 | 日時 |
|---|---|---|
| 岡山総合労働相談所 ※ 要予約 |
岡山県社会保険労務士会 事務局 (岡山市北区野田屋町2-11-13-7F) |
第1~第4金曜日 (13時~16時) |
| ゆうあいセンター 小会議室 (岡山市北区南方2-13-1) |
第3日曜日 (13時~16時) |
|
| 年金相談所 ※ 要予約 |
岡山県社会保険労務士会 事務局 (岡山市北区野田屋町2-11-13-7F) |
第3水曜日 (13時~16時) |
| 治療と仕事の両立支援 相談会 ※ 要予約 |
岡山県社会保険労務士会 事務局 (岡山市北区野田屋町2-11-13-7F) |
第2木曜日 (13時~16時) |
| 岡山商工会議所 労務相談会 ※ 要予約 |
岡山商工会議所 1階 中小企業振興部 (岡山市北区厚生町3-1-15) |
第3木曜日 (13時~16時) |
| 岡山市役所 年金・労働相談会 |
・岡山市役所 7階大会議室 (岡山市北区大供1-1-1) ・勤労者福祉センター (岡山市北区春日町5-6) |
第4水曜日 (13時~16時) |
| 倉敷市役所 年金・労務相談会 |
倉敷市役所 生活安全課 市民生活係 (倉敷市西中新田640) |
第4木曜日 (13時~16時) |
【メリット】
- 無料で実務に詳しい社会保険労務士に相談できる
- 岡山県内の事情に詳しい専門家からアドバイスをもらえる
- 相談できる内容は多岐にわたる
【デメリット/注意点】
- 相談員は指定できない
- 相談は1つの案件につき1回
ひまわりほっとダイヤル(全国の弁護士会)

出典:ひまわりほっとダイヤルについて|ひまわりほっとダイヤル
| 相談方法 | 対面 |
|---|---|
| 対応時間 | 【電話】 月〜金(祝日を除く) 10:00~12:00 / 13:00~16:00) 【Webフォーム】 24時間対応 |
| 電話番号 | 全国共通:0570-001-240 |
| リンク | https://www.nichibenren.or.jp/ |
日本弁護士連合会と全国の弁護士会が運営する、中小企業、個人事業主向けの無料法律相談サービスです。
全国共通ダイヤル「0570-001-240」に電話すると、地域の弁護士会の窓口につながり、折り返しで弁護士との面談予約ができます。Webフォームからの申込みもできます。
【メリット】
- 労働問題はもちろん、契約・取引、債権回収、クレーム対応などの、経営上の法律問題に対応している
- 中小企業・個人事業主の経営者向けに特化している
- 初回30分の面談が原則無料
【デメリット/注意点】
- 電話で法律相談を受けられるわけではない
- 弁護士の指定はできない
- 事業関連の内容が対象で、個人問題は法テラス等の他窓口を案内される
(参考)岡山働き方改革推進支援センター

出典:働き方改革推進支援センター | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省
| 相談方法 | 対面(来所/訪問)、メール、セミナー |
|---|---|
| 住所 | 〒 700-0985 岡山市北区厚生町3-1-15 岡山商工会議所 8階(812号室) |
| 開所時間 | 平日9:00~17:00 ※年末年始を除く |
| 電話番号 | 086-226-0164 (9:00~12:00 / 13:00~16:30) |
| リンク | https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp |
厚生労働省の委託事業として岡山市に設置されている、中小企業・小規模事業者向けの「働き方改革」総合相談窓口です。
「労働問題の相談窓口」ではありませんが、社会保険労務士などの専門家が常駐しており、就業規則、労務管理、助成金の活用などの働き方改革に関するあらゆる相談を無料で受けられます。
【メリット】
- 地元の社会保険労務士に幅広い相談や質問ができる
- 希望すれば専門家による企業訪問も無料で受けられる
【デメリット/注意点】
- 1社あたりの相談回数には制限がある
- 具体的な手続き代行や継続的な業務は、必要に応じて顧問契約等が必要
(参考)労働者側の主な無料相談窓口
先に説明した
は事業主側だけでなく、労働者側からの相談も受け付けています。
また「法テラス」や「連合岡山『なんでも労働相談ダイヤル』」などの、労働者が相談できる窓口もあります。
経営者・事業主側が労働者にどのような相談窓口があるのか理解しておくことは大切です。
会社の労働相談ができる専門家(社会保険労務士・弁護士)
本格的な労働相談・トラブルの解決を希望するなら、専門家に相談することになります。
社会保険労務士
先述のとおり「人」に関する法律や手続きのプロである社会保険労務士は、労働相談はもとより、企業の労務管理や社会保険手続き、就業規則の作成・改定など、実務的な支援を行います。
【相談できること】
- 労務トラブル(解雇・賃金・ハラスメント等)の予防・初期対応
- 社会保険・労働保険(健康保険、厚生年金、雇用保険など)の各種手続き、代行
- 就業規則・賃金規程などの作成・見直し
- 給与計算、助成金申請
- 働き方改革 など
【メリット】
- 現場のトラブルや問題に精通しており、実務や手続きに強い
- 労働トラブルの予防や初期対応に適している
- 最新の法改正や行政手続きにも詳しい
- 顧問契約によって、継続的なサポートを受けられる
【デメリット】
- 訴訟、複雑な法的紛争には対応できない(弁護士の領域)
関連記事:社労士の顧問契約の必要性|依頼できることや費用相場を本音で紹介
弁護士
弁護士は法律全般の専門家であり、労働問題を含むあらゆる法的トラブルの相談・代理・訴訟対応ができます。
【相談できること】
- 労務トラブル(解雇・賃金・ハラスメント等)の法的助言・代理
- 労働審判・訴訟・調停の代理
- 就業規則・契約書などのリーガルチェック
- 企業法務全般 など
【メリット】
- 訴訟や労働審判など法的紛争にも対応できる
- 顧問契約によって、継続的な法務サポートを受けられる
【デメリット】
- 日常的な労務手続きの実務には弱いことがある(社会保険関係の手続きなどは社労士の独占業務)
- 費用が高額になることがある
労働問題は社会保険労務士と弁護士、どちらに相談したらよいか
「何を解決したいのか」や、「どこまで専門的な対応が必要か」によって、相談先を選ぶのがポイントです。
社会保険労務士は「労務管理・手続き・予防」に強く、トラブルを未然に防ぎたい、制度を整えたいときに最適な依頼先です。
一方で弁護士は「紛争解決・交渉・訴訟」の専門家です。トラブルがすでに顕在化しており、法的対応が求められる場合は、弁護士に相談しましょう。
まずは社会保険労務士に相談し、必要に応じて弁護士を紹介してもらう方法も有効です。
事業主向け 労働相談に関するよくある質問
最後に事業主の労働相談に関するよくある質問と回答をご紹介します。
従業員に総合労働相談コーナーに相談されたとき、会社はどうなりますか?
総合労働相談コーナーの対応はあくまで「自主的な改善」を促すものが中心です。会社に直ちに何らかのペナルティや行政処分が下るわけではありません。
相談内容に法令違反の疑いがある場合は、労働局や労働基準監督署に取り次がれることがあります。
従業員に労働基準監督署に相談されたとき、会社はどうなりますか?
相談内容の確認や調査が行われ、違法行為が認められると、企業に対して是正指導があり、改善報告の提出が求められます。指導は真摯に受け止め、対応することが大切です。
重大な違反の場合、罰則や送検、企業名の公表などのリスクがあります。
社会保険労務士に相談する前に、どんな準備をしておけば良いですか?
以下のご準備をいただくと、より具体的な相談対応をすることができます。
- 相談内容をできるだけ具体的に整理しておく
- 質問や要望をリストアップしておく
- 関連する資料(就業規則、雇用契約書、給与明細など)を準備しておく
会社の労働相談をするなら、まき社会保険労務士事務所へ
岡山市のまき社会保険労務士事務所では「お客様の悩む時間をゼロにしたい」という思いのもとで、社会保険等届け出・就業規則の作成・給与計算・助成金等の申請を行っています。
「気軽に相談できる身近なパートナー」となるべく、可能な限りサポートさせていただきます。岡山市周辺の方はもちろん、全国オンライン対応しておりますので、ぜひお問い合わせください。
お問い合わせ
まき社会保険労務士事務所 代表
社会保険労務士 牧 あや
まき社会保険労務士事務所
