協会けんぽの傷病手当などが電子申請に対応|けんぽアプリも解説
2026年(令和8年)1月、傷病手当や出産育児一時金など、協会けんぽによる各種給付の申請が電子対応します。
申請者の負担軽減や給付までの期間の短縮など、電子申請によって被保険者と事業者、それぞれに大きなメリットがあると期待されています。
【この記事でわかること】
- 協会けんぽの給付金などの申請手続きの電子化
- いつから、誰が、どんな申請ができるようになるのか
- 事業者が対応すべきこと
目次
協会けんぽの手当など各種申請が電子申請に対応
2026年(令和8年)1月から、全国健康保険協会(協会けんぽ)の傷病手当金をはじめとした各種給付申請が電子申請に対応することが決まりました。
従来、給付の申請を行う際は、紙の申請書を郵送や窓口で提出する必要がありましたが、今後はパソコンやスマホから協会けんぽの電子申請システムで申請できるようになります。
政府のデジタル推進の一環
今回の対応は政府の「デジタル・ガバメント実行計画」、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に基づくもので、保険加入者の利便性の向上や手続きの負担軽減、業務の効率化を目的に行われます。
現にこれまで給付申請者などから「電子申請に対応して欲しい」という声が多かったのも事実です。電子申請に対応することで、
- 紙の申請書記入の手間、記入ミス、記入漏れの削減
- 郵送や協会けんぽ窓口への持参など手間や時間の削減
- 処理や審査の迅速化、申請状況のリアルタイムでの把握が可能になる
といった恩恵が期待されます。
電子申請の対象になる申請手続き
協会けんぽは以下の手続きが電子申請に対応するとしています(2025年9月発表)。
【適用・給付関連申請書】
- 傷病手当金支給申請書
- 出産手当金支給申請書
- 出産育児一時金支給申請書
- 出産育児一時金内払金支払依頼書
- 埋葬料(費)支給申請書
- 療養費支給申請書(立替払等)
- 療養費支給申請書(治療用装具)
- 高額療養費支給申請書
- 任意継続被保険者資格取得申出書
- 任意継続被保険者資格喪失申出書
- 限度額適用認定申請書
- 限度額適用・標準負担額減額認定申請書
- 任意継続被保険者資格取得申出・保険料納付遅延理由申出書
- 任意継続被保険者氏名・生年月日・性別・住所・電話番号変更(訂正)届
- 任意継続被保険者被扶養者(異動)届
- 任意継続被扶養者変更(訂正)届
- 高齢受給者証再交付申請書
- 特定疾病療養受療証交付申請書
- 高齢受給者基準収入額適用申請書(新規判定用)
- 高齢受給者基準収入額適用申請書(定期判定用)
- 海外療養費支給申請書
- 高額医療費貸付金貸付申込書
- 出産費貸付金貸付申込書
- 移送費支給申請書
- 額介護合算療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書
- 年間の高額療養費支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書
- 健康保険法第118条第1項該当・非該当届
- 資格確認書交付申請書
【保健関連申請書】
- 特定健康診査受診券(セット券)申請書
- 特定保健指導利用券申請書
関連記事:【担当者向け】社会保険の加入手続きに必要な書類、最新の加入条件を解説
電子申請の対象者
電子申請ができる対象者は以下のとおりです。
| 対象者 | 条件・方法 |
|---|---|
| 被保険者(従業員) | マイナンバーカード所持者 |
| 被扶養者 | 一部申請のみ、 マイナンバーカード所持者 |
| 社会保険労務士 | ユーザーIDとパスワードを利用 |
スタート当初は事業者の利用は想定されておらず、申請の対象外です。
電子申請の手続きの流れ(暫定)

- 協会けんぽのホームページ、または「けんぽアプリ」から電子申請サイトにログイン
- 希望する申請を選択
- マイナンバーカードで協会けんぽの資格情報を取得(被保険者、被扶養者)
- 必要情報の入力、添付書類の電子ファイルをアップロード
- 申請後、「受付」「審査中」「審査完了」「返戻」など、審査状況を確認
関連記事:健康保険証が廃止へ。マイナ保険証と資格確認書について知っておきたいこと
そもそも健康保険(協会けんぽ)の給付とは?
健康保険の給付は、従業員や家族が病気やケガで働けなくなったり、医療費がかかったりした際に支給される公的なサポートです。
該当する被保険者は、先に挙げた「傷病手当金」など各種給付金を受け取ることができます。一部の給付は扶養家族も対象です。
【主な給付例】
- 傷病手当金:病気やケガで仕事を休み、給与がもらえない場合に生活費として支給
- 出産手当金:出産のために働けない期間に給与の代わりに支給
- 高額療養費支給:医療費が高額になった場合に自己負担金の一部を払い戻す制度
- 埋葬料:被保険者や家族が亡くなった場合の給付
2026年1月「けんぽアプリ」もサービスイン
2026年(令和8年)1月、協会けんぽの各種申請の電子化と同じタイミングで、「けんぽアプリ」のサービスも開始される予定です。
今回対応する「電子申請」も、このけんぽアプリ内からできるようになる予定です。

サービス開始後、利用者の声や得られたデータを検証しながら、段階的に機能拡充を行っていくとしています。
電子申請開始による事業者への影響と対応
従業員が各種申請を電子で行えるようになることで、事業者側にも紙の書類のやりとりや、従業員からの進捗状況の問い合わせへの対応、といった事務負担が軽減されることが期待されています。
実務担当者は以下のような準備を進めておくとよいでしょう。
- 最新の情報を定期的に確認し、知識をアップデートする
- 実際に申請システムを使って試してみる(サービス開始後)
- 従業員に対して周知する、参考資料を用意する
- 必要に応じて社内の申請フローや規定を見直す
- 顧問社労士と情報を共有する
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まき社会保険労務士事務所 代表
社会保険労務士 牧 あや
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